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皆様は「森のようちえん」にどんなイメージをお持ちでしょうか? ・自然の中で伸び伸び育てる。 ・自然や生き物を愛する心を育む。 ・感性・情緒を育む。 ・自然の遊びを通じて身体能力を養う。 等があるのではないでしょうか? もちろん、これらはとても大事なことなのですが、本質的なものではありません。「森のようちえん」の本質は「人格形成の場」であることです。 人生観やライフスタイル、生涯にわたる思考パターン、コミュニケーション能力を形成する大事な場なのです。 様々なことが起きる自然にはそのチャンスがたくさんあるので、森の中などで保育を行うというわけです。 具体例をいくつかお話するとわかりやすいかもしれません。本ようちえんでは、 1.原則として子どもに「遊び」をお膳立てしません。 一般的な遊具もありません。それは、自分で遊びを考えること、工夫することを大切にしたいからです。※1 2.原則としてルールを押し付けません。 約束やルールは子どもたちの関係性の中から困ったことが発生したときに自発的に出てくるものだからです。※2 3.もちろん「制服」はありません。 そのかわり、ようちえん専用の「着替え」を複数着用意する予定です。自分で好きな服を選ぶことで 「選択の自由」を学んでほしいし、ひとりで着替えができるようになってほしいからです。 4.お弁当の時間は自由です。 それは「食」と「時間」を自己管理できるようになってほしいからです。早く食べ過ぎて昼からお腹が空いてしまう。 遊びに夢中になってお昼をたべそこねてしまう。こんな経験も一度は必要かもしれません。これは自らの時間管理にも繋がります。 教育は子どもたちの時間と心を奪ってはいけません。すぐに正解を求めたり、管理する、管理されることが恒常的に行われると、 ・飼いならされた人(言うことを素直によくきく) ・均された人(個性がない) ・慣らされた人(要領だけはよい) がたくさん育ちます。 これって子どもの本来の能力を奪っているに他ならないと思いませんか。 高度経済成長期は一律に早く良く働く人がたくさん必要でした。教育もそれに呼応していました。 しかし、物離れ、情報化、機械化のより進んでいく世の中で、「ならされた人」がどれだけ必要でしょうか。 クリエイティブな思考パターンや多様性を認め合えるコミュニケーション能力の高い人こそ必要ではないでしょうか。 このような人格形成には幼児期の体験がとても重要だと私は思います。大学改革や小中高一貫教育、グローバル化などの 様々な教育改革も大事だけれど、まずは「森のようちえん」から小さな子どもたちが育つ環境を変えたいと私は思っています。 ※1 ときには自然クラフトや道具の使い方などの「技を学ぶ日」をアクセントとして設けます。 ※2 安全面など緊急を要する場合は、大人からルールを提案する場合もあります。 |
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