里山談話会 荒廃する里山の維持や再生について市民と行政、研究者が話し合う 「里山談話会」(東広島市自然研究会主催)が1998/2/22開催されました。 そのとき私が提供した話題の要旨を載せておきます。

「里山」談話会資料

[はじめに]

ちょうど私が生まれた昭和33年くらいから日常生活から里山が遠ざかっていった。 それでも私にはとてもなつかしい体験がある。

[里山とノスタルジー]

明るい松林で走りまわり、穴を掘って遊んだ。松葉の斜面をスキーで滑っているような感覚さえあった。 生活用水は通称ゴマ谷とよばれていた谷水でまかなっていた。雨が降ると水源や樋、濾過槽を直しに行かされるのがいやだった。濾過槽には赤い泥がたまっていた。 当時我が家はまだ五右衛門風呂だったので風呂焚きをやらされた。その薪割を手伝わされた。丸太を鋸でひいた。こくま「松葉」を熊手で集めた。 秋には、なつはぜ、あけび、くり、そしてマツタケ狩りをした。落ち葉でたき火をして焼き芋をした。

[里山の現状]

日常生活から遠ざかり放置された里山は今や「自然保護林」となっている。 それでも獣たちにとっては居心地のよい里山なのだろか? 「たぬき」、「きつね」、「あなぐま」、「いのしし」、 子供の頃に比べるとよく見かけるような気がする。 竹林化、照葉樹林化、林相の変化はいたるところで観察できる。 東広島にタブノキがこんなに多いとは!最近やっと気がついた。
社会問題の視点でみると、リゾート開発問題を始め、 環境問題の象徴のように語られる松枯れ現象や林道を開設すると里山がごみ捨て場になってしまうことなど 里山は現代社会の諸問題を何も言わず抱え込んでいるようにさえ見える。

[なぜ里山の復活が必要なのか?]

(ノスタルジーだけで語れない里山の復活)
なぜ里山の復活が必要なのか?皆さんも考えてみてください。 復活のための手段はきっと見つかるはずです。
言いたいことは 「山」 ほどありますが、キーワードだけを載せておきます。

「生活と芸術の火、水、木」   「里山は宝の山」   「多様性」

5つの森と多様性               Koso Hayashi 1998 2/22


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